佐々木朗希選手は2024年オフにMLB移籍を視野にポスティングを申請しました。また日本のスターがアメリカへ渡ります。スターがいなくなったプロ野球はどうなるのでしょう、この記事はプロ野球の現状と未来についてまとめています。
【速報】
— デイリー新潮 (@dailyshincho) November 13, 2024
「日本球界が米国の植民地に」 ロッテ・佐々木朗希のメジャー挑戦に張本勲らロッテOBが次々と苦言https://t.co/1oW8gdybqe
ロッテは佐々木を失うことで約70億円の損失があると言われており、球界からは苦言を呈する声も。#デイリー新潮 #佐々木朗希
NPBのMLB2軍化:現実と課題
近年、NPB(日本プロ野球)のトップ選手がMLB(メジャーリーグベースボール)へと次々に移籍しています。日本国内で「NPBがMLBの2軍化している」という懸念がさらに高まっています。この現象は、世界で自分の力を試したい気持ちもあるが、MLBの圧倒的な経済力が背景にあります。MLBのチームは年間何十億ドルもの収益を上げ、選手に高額な契約を提示できる一方、NPBは収益面での制約があるため競争力に限界があります。
観客動員数を見てみましょう。(2023年)
- 年間 アメリカ 7,135万人 日本 2,659万人 アメリカは30球団、日本は12球団
- 一試合平均 アメリカ 29,114人 日本 29,221人 日本の方が多い
単純に球団が増えれば、プロ野球全体の収入も増える可能性があるということですが、それだけでない。チケット代はその国の経済状況によって違うが、アメリカは高額のシートがあるし、シーズンチケットの割合が多く経営の安定化に寄与している。日本は観客数は同じなのに収入に活かしきれていない、しかし、のびしろは十分にあるということですね。
NPBとMLBの経済格差
選手の平均年俸(2022年)
- アメリカ 5億6000万円 日本 4300万円 10倍以上の差
相当な差がありますね。体が資本の選手は、いつケガに襲われるかわかりません。これではアメリカに行きたくなるのもわかります。
MLBは世界的な放映権やスポンサー収入で巨大な市場規模を誇っています。このような経済格差により、NPBは選手の引き留めに苦労しています。
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— 写真家・江本秀幸 (@tensaiemoto) November 17, 2024
北海道に移転したファイターズやベイスターズは独自の戦略で経営しています。自前の球場を持っている球団は利益直結のイベントが行いやすく利益貢献も大きい。しかしアメリカはMLB全体で動いています。もう個々の球団単独で対処するのは終わりにして全体で動く時期に来ています。
Jリーグとの対比
1993年に始まったJリーグは最初10クラブでしたが、2024年にはJ1、J2、J3合わせると60クラブになります。それぞれが地域に根付いています。子供の人口が減っているなかでサッカー人気は野球界にとっては脅威のはずです。しかもバスケやラグビーもプロ化しています。ファンの確保は重要です。
Jリーグはサッカー協会が主導しチェアマンが権力を持っています。NPBにも組織はありますが、権力はありません。あるのはオーナー会議ですが、全体をまとめるものではありません。
エクスパンション(球団数を増やす)
NPBは2軍リーグのエクスパンションとして新規球団を迎え入れています。2024年には「くふうハヤテベンチャーズ静岡」と「オイシックス新潟アルビレックス」という新たな2軍球団が誕生しました。エクスパンションの利点としては、地域活性化や若手選手の育成環境の向上があります。一方で、チーム運営には資金面での負担が伴い、質の高い選手の確保が難しいという課題もあります。
これは、参加であって加入ではありません。2軍のリーグ球団数が奇数なので埋め合わせ的な要素が強いのです。ではなぜ参加しているのか、それは将来にあるであろう一軍のエクスパンションに備えての足掛かりといえるのです。
新規2軍球団の現状
「くふうハヤテベンチャーズ静岡」は静岡を拠点とし、「オイシックス新潟アルビレックス」は新潟を本拠地に、地域密着型のチーム作りを推進しています。これらの新球団は、NPBの2軍に新たな活力を吹き込んでいますが、同時に運営資金や競争力の確保に苦労する場面も見られます。
2024年成績 「くふうハヤテ」28勝84敗8分 「オイシックス新潟」41勝79敗6分
新しいプロ球団ができたと話題にはなりましたが、それ以降ニュースになる事はありませんでした。
NPBが取るべき方策
このままMLBへの選手流出が続けば、日本国内での野球のレベル低下や観客数の減少が懸念されます。NPBが対抗するためには、報酬体系の見直しや国際市場への進出が重要です。放映権の国際販売や海外ファンの獲得によって、収益基盤を強化し、選手が日本でのプレーに魅力を感じる環境を整える必要があります。
大谷翔平選手をはじめとする日本人メジャーリーガーの評価が上がれば上がれ程、NPBの実力が評価されます。今が変わる時なのです。
NPBが描くべき夢
NPBがさまざまな改革によって収益基盤が強化され、エクスパンションによって球団数が増えたとしても、それだけではダメです。選手がMLBに行くかNPBに行くかと選択に悩むくらいでなくてはなりません。そのためには、MLBと並ぶ魅力的なリーグになることです。
NPBはアジアでもっとも人気のある野球リーグです。アジアやオーストラリアから選手を集めることで放映権ビジネスが伸びます。その収益でMLBクラスの選手を獲得すればさらに盛り上がります。選手の評価は契約金というのがMLBの共通認識ですので、難しいことではありません。そしてNPBのチャンピオンとMLBのチャンピオンが戦う、本当のワールドシリーズを開催するのです。
ドジャース、ワールドシリーズ制覇🏆
— 【SS】大谷速報&スポーツ速報 (@30R9gmaMUy3guDJ) October 31, 2024
チーム集合写真!#大谷翔平 #山本由伸 https://t.co/QSD3TePa61 pic.twitter.com/bJHfXi00pm
結論
NPBが「MLBの2軍化」を避け、独自の魅力を維持・向上させるためには、経済格差への対応や選手育成環境の充実、さらにはエクスパンションの効果的な活用が不可欠です。地域密着型の球団を増やし、若手選手の育成を強化しつつ、国際的な収益機会を拡大することで、NPBは世界に誇れるリーグとしてさらなる成長を遂げることができるでしょう。本当のワールドシリーズ開催を目指して。