ドラマ海に眠るダイアモンドが好評ですね。コンピューターグラフィックスによって1950年代の当時を鮮やかに作り出しています。このドラマの舞台となっているのが長崎県にある端島で別名軍艦島と呼ばれています。この記事では、軍艦島の歴史、規模、事故、映像作品への影響、そして現在も上陸できるのかについて、分かりやすく解説します。
新しい日曜劇場の海に眠るダイアモンドって面白いん? pic.twitter.com/qe4HGTdwJy
— りりぃ (@lilylily1217) October 31, 2024
軍艦島の歴史と規模
軍艦島(端島)は、日本の長崎県にある小さな島で、その外観から「軍艦」のように見えるため、この名前で呼ばれています。昔は石炭を採掘するための炭鉱の島として栄え、日本の産業発展を支える重要な役割を果たしていました。端島炭鉱は1810年頃に石炭が見つかり、1890年から三菱財閥によって本格的に採掘が始まりました。旧鍋島藩主から三菱が島ごと買い取ったんだね。
第二次世界大戦後の経済成長期には島は活気づき、最盛期には約5,300人もの人が暮らしていました。その面積は約6.3ヘクタールで、地下の炭鉱は海面下約1,000メートル、周囲2,000メートルにも達していました。この大きさで採掘が行われたため、島は高い生産量を誇っていました。海の下でもあり閉所恐怖症のひとには耐えられませんね。
炭鉱での深い採掘は地盤沈下や地下水汚染のリスクを伴いました。また、石炭採掘中に発生する粉塵や有害物質も健康に悪影響を与えることがあり、さらに端島炭鉱でもいくつかの事故が起き、落盤やガス爆発などの労働災害によって死亡者が出ることもありました。戦時中は、他の地域から徴用された人々が厳しい労働条件で働かされ、過酷な生活を強いられた歴史もあります。今でいうブラック職場になりますそういう時代だったのですね。
軍艦島にジェームズボンドが来た 進撃の巨人も
海に眠るダイアモンドなどドラマや小説の舞台となっている端島ですが、その独特な廃墟の景観と歴史から、多くの映画やアニメ作品にインスピレーションを与えてきました。
2012年公開の映画『007 スカイフォール』では、軍艦島が悪役シルヴァのアジトのモデルとして使用されました。実際の撮影は島ではなく、映画用のセットで行われましたが、そのセットは軍艦島の荒廃した都市風景を忠実に再現しています。島が持つ無機質で幻想的な雰囲気は、映画の緊張感を高める効果的な背景となり、視聴者に強烈な印象を与えました。本作のエンドロールにも長崎県軍艦島と表記されていましたし、軍艦島の雰囲気は十分に出ていましたね。
「007/スカイフォール」に登場する
— アーハ📽️♪ (@ChBr19741030) April 27, 2024
ラウル・シルヴァのアジトの島は、
日本の長崎県にある端島(軍艦島)が
モデルになっており、スタッフが
実際にロケハンも行いました。
撮影自体はロンドン郊外に建てられた
巨大なセットで行われました。 pic.twitter.com/rYWR9mK6NO
実写版『進撃の巨人』の映画でも、軍艦島がロケ地として使用されました。軍艦島の荒れ果てた廃墟は、作品が描く人類と巨人との壮絶な戦い、荒廃した世界観をリアルに再現するのに最適でした。実際の島で撮影されたシーンは、物語にリアリティを与え、観客により深い没入感を提供しています。実写版の撮影が軍艦島で行われたことにより、観光地としての注目度もさらに高まりました。
その他の作品と軍艦島の魅力
軍艦島は、このような映像作品だけでなく、ドキュメンタリーや他の映画作品でも度々取り上げられています。その荒廃した景観は、かつて栄えたが今は無人島となった歴史を物語り、多くのクリエイターにインスピレーションを与えています。現実とフィクションが交わる場所として、軍艦島は観光客にも独特の体験を提供しています。
映画やドラマ等の作品を通じて、軍艦島は国内外で広く知られるようになり、歴史的な観点からも訪れる価値がある特別な場所とされています。観光客がこの島を訪れることで、その美しさと過去の物語がさらに深く理解されていきます。
現在の軍艦島—観光としての魅力
1974年に炭鉱が閉山され、端島は無人島となりましたが、2009年に観光のための上陸が解禁されました。観光ツアーでは、ガイドの案内で炭鉱の跡や住居跡を見学することができます。ただし、建物の老朽化が進んでいるため、安全なエリアに限られており、天候によっては上陸できない日もあります。
この秋に始まったドラマ「海に眠るダイアモンド」って軍艦島が舞台なんだ。
— ぴーちゃん (@pchangstar) October 24, 2024
これは要チェックや💦 pic.twitter.com/9FaGUAGQaF
軍艦島の特徴として島全体がコンクリートで覆われていて緑がないことで、海にマンションが浮かんでいるように見えます。これは度重なる台風や波の被害から島を守るための防潮堤も兼ねていました。これが独特で他にない情景を生んでいるのですね。
最盛期の軍艦島の再現が素晴らしい…😭「海に眠るダイアモンド」。
— ばななのな (@bananbe90) October 24, 2024
さっきから鳥肌が止まりません。ありがとう関係者の皆さん…。 pic.twitter.com/vqM4QdjAtf
2015年には、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されました。これにより、日本の近代産業の発展における重要性が再認識されましたが、戦時中の労働者問題についても議論を呼んでいます。
上陸の制約
- 天候の影響: 軍艦島は波が高い地域に位置しているため、天候や海の状況によっては上陸が中止になることがあります。特に波の高い日は、船が接岸できずツアーがキャンセルされる場合もあります。
- 立ち入り禁止エリア: 島の構造物の多くが老朽化しているため、安全性を考慮して一部エリアへの立ち入りは禁止されています。見学可能なルートは、基本的に安全性が確認された範囲に限られています。
軍艦島に行く前に知っておくべきこと
もし軍艦島への訪問を考えているなら、ツアー会社の情報を事前に調べて予約することが大切です。人気のある観光地なので、早めの予約をおすすめします。訪問を通じて、日本の産業の歴史やその影にある課題について学ぶ機会を得られるでしょう。特に天候については確認が必要です。晴れていても海が荒れていては欠航になってしまいます。実際に航行できるのは年間100日程度とも言われています。
まとめ
軍艦島は、日本の産業革命を支えた重要な場所であり、その歴史には栄光と課題が共存しています。いろいろな映像作品により軍艦島の歴史や雰囲気を味わうことができます。現在は観光地として訪れることができるため、興味があれば実際に上陸して歴史の一端を感じてみるのも良いでしょう。